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Jun 8, 2017

勅使川原三郎「Absolute Zero」に思う

ジョニー! ジョニー!!!

(あー またうるさいのが来た・・・ねむいのに・・・)

孫のごとくジョニーを溺愛してくれている義父母のところから

なかなか我が家に帰れなくなっているジョニーさん。

ニャンコは本来1匹で飼われるほうが良いと言う話も聞くので

この方がいいのか迷うところではありますが・・・

義両親家に行ってはジョニー可愛いなぁと親バカ炸裂中〜。

ハモンにくらべると、鼻チューすぐしてくれるのもたまらんです(*^_^*)

男の子は甘えん坊なのよね。

(このソファはオレ様専用なんですぜ。キリ)

さてさて、先週は勅使川原三郎「Absolute Zero」のひさしぶりの再演を

世田谷パブリックシアターで観てきたのでその雑感を。なんとこの再演、約20年ぶりだそう。

今やつるつるアタマが強烈だけど、髪の毛フサフサだったころからの

長年の勅使川原さんファンの飼い主ですが、

そもそも「過去にまったく観たことのない、斬新なボキャブラリーで構成されたダンス」

というものを観たのは彼の舞台が初めてだったので

生まれたヒナが最初に見たものを親と思うがごとく、

崇拝しているのでありました。

だってそれまではクラシックバレエと、80年代なジャズダンスや

マイケルが踊るダンスが「ダンス」で、舞踏も見たことなかったしね・・・。

(なつかしすぎる髪の毛と舞踏を感じる白塗り時代。CINRA.NETより)

近年はあまりの多作ぶりに全公演を追いきれなくなっていますけど、

なるべく活動を見守り続けたいなと思う人です!

90年前後あたりから2000年代はじめごろまでの勅使川原さんは

人間の内部に渦巻くものをマグマのように内部でフツフツさせているようで、

ちょっと異形のモノ感の強さも感じさせているのが大きな魅力でした。

それがここ10年くらいはシンプルに自身をさらけ出すようなライブ感が強くなっているようで、

精神性の高さが強く感じられ、それがムーブメントに反映されているように思います。

昔のある種のイキオイは失われたけど代わりに透明感のある輝くものを得た、そんな感じでしょうか。

また、パートナーの佐東利穂子さんの切れ味の良いムーブメントは実に人間くさくない

異次元感はあるんですけどアングラっぽさが全くないんですよねー。

それが勅使川原さんにも影響して相乗効果を生んでるのかな。

自身も長く踊りながら活動している振付家の軌跡を観る楽しみですねー。

飼い主もそれを感じられる境地に入ってきたのかと感慨深いですわ。

あいかわらず前置き長いですが、そんな勅使川原さんが20年たって再び見せてくれた舞台。

正直20年前の記憶はそうとうにおぼろげでしたが、

”あーこういうシークエンスあったなー”となつかしく思い出しつつ観ていました。

とはいえ当然ダンサーが違えば印象も変わるもので、勅使川原さんも動きの質が変わっているし、

宮田佳さんと佐東利穂子さんもぜんぜんダンスの質が違うってところから

新作を観ている感覚が強かったですね。

前述したとおり、ムーブメントを通した精神性の高さがヒシヒシと伝わってきて

存在に透明感磨かれた何かを感じさせるのは、

バレエで言ったら、ロパートキナの踊るダイヤモンドを観ている時のような気持ちに。

結構な時間、音もなく微動だにしないシーンがあったのですが、

みんな息をつめて見守ってるのも印象的で、

その磨かれた何かが表出してくるのを待っているかのようでした。

(世田谷パブリックシアター サイトより)

(世田谷パブリックシアター サイトより)

(世田谷パブリックシアター サイトより)

上の写真とくらべて、こちらは「Absolute Zero」初演のころの勅使川原さん。

すでにつるつるだけどやっぱり若いわーーー、といっても40代前半のハズだけど。

でも、今60過ぎてもまったくそれを感じさせないパフォーマンス、ちょっと人智を超えていて

やっぱり彼は人間じゃないのかもしれませんw。

つぎの勅使川原公演は8月の東京芸術劇場に行く予定。

ここのところ佐東さんとのDuoがほとんどだったけど

5人でのアンサンブルが観られそうなので、とっても楽しみだなー!

May 29, 2017

ローザス「Fase」「Vortex Temporum」

(クンクン、あんまり美味しそうなにおいがしないわね・・・)

それはイチゴスムージーだよー

イチゴの時期も終了ですが、お安くなってくるとしょっちゅうつくってたスムージー。

このときは、ぜいたくにあまおうを使ってみました。キングオブイチゴ、あまおうです

さすが、やっぱり甘くておいし〜〜〜かったです。

 

さて、あまりにもイマサラですが

今月の飼い主的ダンスの目玉だったローザスの公演の自分メモをサクッと記しておきます。

まぁ半年前のキューバの話を書いていたくらいですからね、同じ月なら誤差みたいなもんですよね。

ローザスは振付家アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル率いるベルギーを代表するダンスカンパニー。

”1989年の初来日以来、その特徴ある振付、美しくも鋭敏なダンス、音楽と身体運動の関係を

様々な角度から徹底的に分析し構築する創作姿勢などで、

日本においても、ダンスファンのみならず、多くの人達を魅了し、

また刺激を与え続けている「ローザス」。”(東京芸術劇場HPより)

今回の来日ではひさびさに振付家本人が初期の代表作「FASE」を踊る、とあって

ダンスファンからは熱い注目を浴び、チケットも完売。

今まで彼女の振付作品はいくつか見てきましたが、本人が踊るのを観るのは飼い主にとっても初めてのこと。

現代のミニマルミュージックの巨匠、スティーブ・ライヒの音楽を

可視化するケースマイケルの振付は

まさに音楽と身体運動の関係を提示してくれていました。

(PHOTO:東京芸術劇場HPより)

FASEは4つの曲とともに展開されました。

そのひとつPIANO PHASE。

シンクロしていたふたりの踊りがほんの少しのズレから大きなズレへと発展するが、

また少しずつもどっていく。またふたりの影も光の方向が変わることによって

2人が増幅したり、一致したり、離れたり。2人だけの関係以上のものを描いていました。

人間の関係性を哲学的に象徴的にあらわしているようで考えさせられ、すごくよかったです!

(PHOTO:東京芸術劇場HPより)

「COME OUT」「VAIOLIN PHASE」「CLAPPING MUSIC」と続くのですが、

いやー、振付家が踊るってこういうことなのかーーーと思いました。

ケースマイケルさん、とにかく自身の振付の中でのその自由さ、ハンパなかったです。

今まで彼女のつくる舞台とダンサーからはある種のストイックさを感じていたんだけど、

すごくいきいきとしたライブ感を感じましたねー。

もうひとつ、FASEの他に持ってきた新作「Vortex Temporum」。

こちらなんというか衝撃的でした。

探求やまない芸術家のアタマの中をのぞかせてもらったような気持ちです。

タイトルのごとく、ダンサーもぐるぐる

ミュージシャンであるイクトゥスのメンバーもぐるぐる

ピアノまでぐるぐる回ってます。

(PHOTO:東京芸術劇場HPより)

(PHOTO:東京芸術劇場HPより)

また、個々があつまってきたかと思ったら離れていったり、時には爆発したり。

やがて大きなうねりとなり、その様子はまるで小宇宙を見るかのようでした!

見終わった読後感としては、

音とパフォーマンスをつかった現代美術のインスタレーションを観たような気分。

しかし、このニャンコ並みの脳みそがすべて受け止めきれたとはとても思えません。

また機会があればもう一度観直したいと思いました。

(ちょっと失礼しちゃうわね、いっしょにしないでよ)

ハイハイ、ですよねー

ニャンコの方が頭いいよね、絶対。

Apr 27, 2017

元気が出る草間彌生展

あっという間に時間は流れて

もうゴールデンウィーク到来です。こわーいぃ・・・今年も半分弱終了ですよっ

(あら、洗濯したばかりのシーツ洗ったの?)

アナタが毛玉吐いたからですよっっっ!毛玉の季節も到来・・

(ふうーーん。たいへんねぇ)

ベッドの上で吐くのはカンベンしてくださいよ・・・

好き嫌いしてないで毛玉ケアのカリカリもちゃんと食べて!!

さてさて、混むのキライだからと平日脱走できる様子をうかがっていたら、

終了まであと1か月!激混みウィークがもう目の前!何がなんでも今週行かねばーーー!

草間彌生「わが永遠の魂」鑑賞してきましたよー。

訪問時間は、平日の夕方16:00〜17:00過ぎでしたが、

事前にオンライン購入したものの入場券売り場もまったく人がいなかったし、会場内も想像より混んでいなかったです。

なるべく人のいなさそうなタイミングをねらったものの、けっこう混んでるって聞いていたので拍子抜け。

もしや、これはゴールデンウィーク前の静けさ??

どぉーーーーん!

会場に入るなりすごい迫力です!あ、草間さんじゃなくて作品ね。

いや草間彌生自身も彼女の作品なのでしょうが。

ともかく圧巻の新作シリーズが、ブチ抜きの展示室の壁面いっぱいに並んでます!

御年88歳の草間彌生さん、2009年から描きはじめてその数なんと500点以上にのぼるとか。

2~3日にいっぺんのペースで描きあげてきたというから驚きです。

そしてこの渾身の新作たちは写真撮り放題ってすごいなぁ。

今回はその中から132点が選ばれて展示されてるそうですが、

力強い色彩とミトコンドリアをほうふつとさせるような体内の細胞レベルから

アチラコチラからこちらをジッと見つめる目に囲まれたり

みんなニコニコしたり泣いたりしていて

彼女の感情が、その細胞レベルの内面から表層の表情となって出て行くまで、

を表現しているようですね。

それにしても、ひとつひとつのディテールも興味深く見ることが出来るのですが

その色彩と生命力のパワーに身をまかせるだけで、血湧き肉踊る感満載なのです!!

見ていてなんだか不思議なヤル気がわき起こってきました単純です

でもホントにアドレナリンがブワッてあがったんですよ!きもちよかったわ。

あ、また!マーク多用してしまった・・・

どうでもいい話ですが、まだ飼い主が新人アートディレクターだったころお世話になった大先輩が、

「! を多用するのはダメなコピーライターだ」って言ってたの思い出しました。

ムダに勢いでごまかしてはいけない。今とてもよくわかります。

話それました。

この作品群の後は撮影禁止で、草間彌生の生い立ちに沿った画家としてのスタートから

有名なドットのカボチャにいたるまでの作品が続きます。

初期の頃は日本画も嗜んでいて、岩絵の具を使ったりしていたんですねー。

そのころの、他にカンディンスキーのようだったり

20世紀初期のムーブメントの影響も受けているような作品も見られ、

草間さんも影響を受けたりするんだなぁとちょっと親しみが。

草間彌生といえば、裕福な家庭ではありましたが幼い頃から母親との折り合いが悪かったらしく

統合失調症に悩まされており、その影響で生じる幻覚や幻聴から逃れるために描き続け、

有名なドットはその幻覚の象徴とされています。

オーディオガイドでは彼女のインタビューがいくつか聞けるのですが、

印象的だったのは描かないと死にたくなる

今にいたるまでの人生で死にたいと思わなかった日は一日もないのだ、

絵を描き続けじぶんの中にあるものを表現し、評価されることのみが自分を生かしている、

そしてじぶんはまだまだ未熟で努力しなければならないのだ、と語っていたことです。

まだまだって・・・88歳ですよ!元気でるわーーー

でも成功しても精力的に活動を続ける人ってジャンルを問わずこういうマインドですよね。

ちなみにオーディオガイドですが、草間さんのインタビューがけっこうあってこれはかなりいいと思います。

いいなとは思いますが・・・

彼女自作の詩をメロディにのせた歌が2~3本あり、本人が歌っているのです!

これが、前半のエイジレスな生命力あふれる作品を見ている時に聴くには、

けっこうギャップ激しくメロディと歌詞はもーーーーーーのすっごい昭和

こういう一面にふれると、その時代に日本で育った人なんだなぁとシミジミ。

他にNY時代のネット・ペインティングをはじめとしたポップカルチャーの先端を走る作品も充実しており、

ハプニングと呼ばれた過激パフォーマンスの一部も上映されていて

ここまでまとまったのを見たのは初めてだったので、クサマファンとして嬉しかったです。

帰国してからも精力的に作品を作り続け、

1993年にヴェネツィア・ビエンナーレの日本代表となったことで

あらためて世界からひっぱりだこの芸術家になった軌跡までが

とてもわかりやすく鑑賞することができました。

飼い主がクサマファンになったのは、このヴェネツィアビエンナーレのすこし前あたりの

再評価が始まった頃、美術手帖で読んだりしてからかなーと思います。

また2002年頃からしばらく、大阪のオサレ家具集団のgrafとコラボして

ソファやらさまざまなインテリアアイテムを作っていた時の住空間も展示されており、

その当時、いくつになっても柔軟で 時代に寄りそう彼女の感覚はスゴいなぁと思っていました。

まいにち、あの住空間の中にいたら気が狂っちゃいそうでしたけどねww。

(graf HPより)

さて、さいきん充実の一途をたどる会場外のグッズ売り場も大人気。

展示会場よりグッズ売り場の会計でトグロ巻いてる時間もあるくらいのようです。

なかでも飼い主の目をひいたのが、限定のYAYOIちゃん人形。

なんとお一人様10個まで(そんなにたくさん買う人おるんかー)のただし書き付きですよ!

え?わたくしは・・・悩みましたけど買ってどうするんだと自問自答して止めました

 

また会場外ではボックス型のこんなスペースも。

入場の半券を見せてこのシールをもらいます。

部屋の中に、シールを好きなところに貼って作品に参加しよう!ってことですねー。

そして建物外にはもちろんドットカボチャも。みんなハゲシク記念撮影しています。

アチラにも草間彌生。

コチラにも草間彌生。

ふぅーーーおなかいっぱいになりましたー。たのしかったです!

で、会場より連れて帰ったのは、この子たち。

カタログ、手ぬぐい、会場限定memoパッド、マステですー(マステ写ってないな)

こんなに買うつもりじゃなかったのに、またやっちまいました・・・。

(また散財したの?)

(すくいようがないわね・・・)

 ハ、ハイ・・・。

ハモンさん、遊びましょーーー・・・。

Apr 25, 2017

Mと、ムーミン バレエ。

うららかなよいお天気だった週末、

ハモンさんの奇跡の洗濯板ショットがまたまた撮れてゴキゲンの飼い主です。

(いいお天気ねぇー・・・)

(ふあーーーーーーーーーーーーー・・・)

(キリッ)

ところで、ハモンの下からのアオリショット見ていて、誰かに似ているなーと思っていました。

(pinterestより)

この人ですよ。Mイギリス情報局秘密情報部MI6の局長Mです。

ってジュディ・デンチですけど、マリーゴールド・ホテルにいようがエリザベス1世だったとしても

飼い主の中では007シリーズのこの姿しか思い浮かびません。

彼女は実在の1992年から1996年まで実際にMI5の長官だったステラ・リミントンに基づいている設定だそうですね(wikiより)

記憶喪失かと思うほど見たこと忘れては Amazon Fire TVでリピしまくった「スカイフォール」

17年ほどの任務から殉職してしまったのが残念です。

 

おっと、映画でも小説でもスパイものが大好物の飼い主がこの辺の話をし始めたら長いので、

それはまたの機会にする(え?)として今日はこちらのレポをさらりと。長くないですよ

Mつながりです、ムーミン。Moomin、です。くどいですね。

つい昨日のことですが、来日中のフィンランド国立バレエ団の2つのプログラムを観に行きました。

北欧ガラ+たのしいムーミン一家 ~ムーミンと魔法使いの帽子~です。

そして、このムーミンバレエの演目はなんと世界初演とのこと。

(オーチャードホール・フィンランド国立バレエ団来日公式ページより)

正直 怖いもの見たさでチケット取ったけど、着ぐるみバレエはあんまり得意じゃないかなぁなんて思ってて

前回のKバレエ・ピーターラビット見に行った時は盛大にしのごの言ってたんですが、

なんと2回目にして慣れてしまったのか、素直に笑ったりカワイイーー、なんて

会場のホンワカした空気に同調出来ましたんですよ!

(前半の北欧ガラが色んな意味でディープすぎたせいもあるかな・・・)

だって・・・ ミィも踊る!ホントにキュートでこの日の飼い主的MVPです。

(オーチャードホール・フィンランド国立バレエ団来日公式ページより)

ムーミンママなんて高速パドブレしてましたよ。

(オーチャードホール・フィンランド国立バレエ団来日公式ページより)

スナフキンだって踊る!

(オーチャードホール・フィンランド国立バレエ団来日公式ページより)

女子はみんなトウシューズでポアントに立つんですよ!

足先まで着ぐるみでポアントに立てるなんて踊る側からしたらかなりタフ・・・。

正直ストーリーとかよく覚えてないんですが、そんなのもういいんです。楽しみましたから。

欲をいえば、ミィはキャラクターが振付にもかなり反映されているのですが

ムーミンたちはそこのところ難しいのかな?わりとふつうのバレエ的で、

そこがもっと魅力的になるといいのになーと思いましたけど。

キャラクター好きでもないオトナが何度も見たくなるって感じではありませんでしたが、

会場は平日夜にもかかわらず、お子様連れも多数でほぼ満席

近年バレエ公演は集客に苦労している公演が多いのだけど

フィンランドでの公演やリハーサルで、ムーミンが踊る画像や映像が

SNSを中心に拡散されバズっていたり、良い宣伝活動が出来ていたのだと思います。

会場限定ムーミングッズは週末公演を経てほぼ完売で、ムーミン人気を実感しましたよ。

って、まったくもうひとつのプログラムの北欧ガラには触れませんでしたけど、

フィンランドでは情熱的・官能的・アクロバティックなバレエが好まれるのかのぅ・・・といった印象です。うぅむ。

ヨルマ・ウオティネン振付の「悲愴」、こちらも日本初演でしたが

スキンヘッドにパンダメイク&白いヒラヒラのスカートをはいた、ムーミン谷のお仲間のようなダンサーが

ニョロニョロのような動きを見せるソロ演目。これは興味深く良かったですねー。

というわけで、しつこくこの2人の写真をくらべて終わりたいと思います。

(うるさいわねぇ、もうねむいの・・・)

(telegraph.co.ukより)

Apr 9, 2017

映画館でバレエ・その2

映画館でバレエ・その1があったからには、とうぜんその2があるわけでして・・・しつこくてスミマセン。

(えーまたやたら長いやつー?ネコの話はぁー?)

それはまた今度ね!

ここ数年、英国ロイヤルバレエ団は、本拠地ロンドンのロイヤルオペラハウスで上演される公演を

ほぼ同時に世界各地に配信するライブビューイングを定期的に行っています。

日本は時差があって結構なタイムラグが生じてしまうため、この映像を中継としてではなく1週間ほど上映しています。

ライブでなくても最新の舞台映像振付家や作曲家、ダンサーなどのインタビューなどにより、

作品への理解を深めながら観られるというのは

ふだんバレエやオペラを観ない人たちにも、観劇LOVERたちにもよい企画だなぁと思います。

全国の主要なTOHOシネマズで展開するロイヤルバレエ・シネマシリーズとして展開されており

インタビューも舞台上のモノローグなど全部字幕がつきますので、

I am poor at English な飼い主でもバッチリです。ホント、ありがたいわぁ〜

http://tohotowa.co.jp/roh/

で、今回はそのひとつ、「ウルフ ワークス」です

この演目は、英国ロイヤルバレエ団の常任振付家であるウエイン・マクレガー

イギリスの代表的な作家のひとり、ヴァージニア・ウルフを題材にして初めて長幕に挑戦したもの。

2年前のワールドプレミア時はその革新性に大きな話題となり、数々の賞に輝いた作品で、

今年の年明けに再演があり、そのライブビューイング映像が上映されました。

飼い主は、2年前の初演時にシルヴィ・ギエムの引退公演を観るためにロンドンに行っており、

ちょうどロイヤルバレエのシーズン中ならロイヤルオペラハウスでいくつか観劇しないともったいないな、と

チケットを取った公演のひとつが、このウルフ ワークス。

ウエイン・マクレガーってかなり先鋭的な舞台作りをする印象だけど三幕モノとかってどうなんでしょう、大丈夫かな、と

杞憂したのはアホかと思うほど衝撃的な感銘を受け、もういちど観たいと焦がれていた作品です。

それが初演主要キャストはそのままで観られるとあっては興奮をおさえられません!

というのもロイヤルバレエの看板ダンサーたち大量投入のめっちゃ豪華なキャストにプラス、

一度は引退して伝説化するほどの女優ダンサー アレッサンドラ・フェリが、

ヴァージニア・ウルフ役でゲスト出演してるんですよ!ハァハァ

公式サイトより©Tristram Kenton

この作品はヴァージニア・ウルフの小説「ダロウェイ夫人」「オーランドー」「波」の3つをベースに

彼女のエッセイ・手紙・日記など私生活をおりまぜて展開されています。

1幕目はダロウェイ夫人(スートリーはコチラ)をベースにした” I Now, I Then”.

公式サイトより©Tristram Kenton

シンボリックな舞台美術とともに

小説ダロウェイ夫人の登場人物たちと、ウルフ自身とその夫や元恋人、友人などが交錯し、物語を紡ぎます。

そのなかで、フェリの存在感はもちろんのこと、なんといってもお気に入りはこの人エドワード・ワトソン、

 病んだ役をやらせたら天下一品ですっ!最高。

不思議の国のアリスのウサギ役も好きなんですけどね

(エドと、日本人プリンシパルの高田茜さん)公式サイトより©Tristram Kenton

エドは戦争による神経症に苦しむ元義勇兵を、個性あふれる演技と高い身体能力で見せてくれました。

また、ダロウェイ夫人と、若い時代のウルフが行き来するようなベアトリス

ダロウェイ夫人の親友サリーと、私生活でウルフと同性愛関係にあったと言われるヴィタが混じりあうフランチェスカ

ふたりの瑞々しさがフェリの成熟感といい対比で、まさに-Now and Then –今そしてこれからを象徴していたと思います。

2幕はオーランドー(ストーリはコチラ)をベースにした ”Becoming

1幕とはうって変わって光・レーザーを駆使した照明の中、性と時空を超越してしまった青年貴族のオーランドーになぞらえて

大勢のダンサーたちが近未来感あふれる衣装やメイクをまとい、息もつかせぬすさまじい超絶技巧を繰り広げます。

公式サイトより©Tristram Kenton

いったいみんな関節どこにあるの???

いやー、すごかったのなんのって・・・ホントに息をつめて観すぎて呼吸困難になったんですよー。

なかでも強いテクニックと身体能力が、コンテンポラリーな振付に実に素晴らしくいきるオシポワが圧巻です。

初演では超絶テクニックを誇るマックレー先輩ですら霞みそうな勢いでしたが、

今回は良いバランスで拮抗したパートナーとなって、ペアとしても見応えありました。

(初演時のパンフレットより、オシポワとマックレーのリハーサル風景。どうなってるんだね、このカラダ)

サラ・ラムも強靭な一面を見せ、演劇的なロイヤルバレエダンサーたちの

テクニックの底力も見せつけられた幕でしたね。

初めてこの舞台を観た時に、もうこの幕が終わる頃は斬新なクリエーションの洪水に興奮し、

その創造性にたいして飼い主の脆弱なCPUが処理しきれないようで、幕間は震えが止まりませんでしたよー。

3幕は「波」をベースにした“Tuesday”

世界一美しい遺書とよばれるウルフの遺書のモノローグから始まり、波の映像が流れます。

マクレガーによれば、このタイトルはその遺書の最初の言葉からなんだそう。

え?ちゃんとTuesday聞こえてたかって?もちろんわかっていませんでしたとも(涙)

公式サイトより©Tristram Kenton

波の音が流れ、波打つ様子や海の底を感じさせ、それに身をまかせるようなムーブメントは

「波」は非常にポエティックで抽象的だ、とマクレガーが言っていることをそのまま体現しているよう。

また入水自殺したウルフの心情も現しているのだと思います。

そしてロイヤルバレエスクールの子どもたちから、ソリスト、プリンシンパルまでが

そのムーブメントを一体となってユニゾンしている光景は、素晴らしいフィナーレでした。

ところで、このフィナーレで群舞なみなさんはサンゴを模したヘッドピースのようなものをつけていたのですが、

わたくしロンドンにて舞台を鑑賞時はオペラグラス使ってなかったこともあって

ゴーグルにシュノーケルつけてたと思ってました・・・誤解が正せて本当によかったわ・・・。

いくら波だ、海だって、あの舞台美術や衣装の流れでこの認識はあんまりなので、

これからはちゃんとオペラグラス使う決心。

そして幕間はライブビューイングならではの、お楽しみコンテンツがいろいろです。

それぞれどの幕間だったかは記憶が曖昧なのですけど、フェリやサラ・ラムらダンサーのインタビューはじめ、

マクレガーそして作曲家のリヒターのインタビュー、どれも創作過程が垣間見えてとても良かった。

とくにリヒターの誰もが知っているメロディにちょっとした違和感を仕込んで感情を動かす

というのを実演していたのが、とっても興味深かったですー。

それから!ヴァイオレットおばあさま(ダウントンアビー見てない方スミマセン)が朗読をしてました!

彼女の声好きなの、嬉しかったな。

(ヴァイオレット先代伯爵夫人ことマギー・スミス。ダウントンアビーオフィシャルサイトより

ちなみに、上記の中のマクレガーの言葉の引用はコチラから。

これこの作品が好きな人は頑張って読む価値あるインタビューだなぁと思いました。

情緒的、感情的な英語が多用されてる芸術系の記事はハードル高いんですけどね

(スキンヘッドのマクレガー氏。independent.co.jpより

このインタビューの最後にマクレガーが言っている

“But I think it’s the responsibility of a big lyric opera house to offer work that is on the edge.

If they don’t, and they only present things that are easy to watch and that they know people already like,

that would kill off the art form. They have to be able to take risks.”

「人々がすでに知っているわかりやすい作品だけでなく、先進的な舞台を提供することはこのようなオペラハウスの責任であり、

リスクをとることが芸術を進化させる」ってホント大事なことだと思います。

(ちょっと意訳気味かな。いつものままだと芸術を殺してしまうのでリスクをとることが出来なきゃいけないって話ですよね)

日本だとなかなか難しいのだと思うけど。

(終わったの?)お待たせハモン、遊ぼうね。あ、目ヤニついてるよ。

 

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