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Aug 8, 2017

ダンサー、セルゲイ・ポルーニン「世界一優雅な野獣」

おひさしぶりな更新になりました。

いやもう、自分の出演する発表会の舞台×2の準備でてんてこまい+

並行して仕事して+あげくPCの液晶はぶっ壊れ+荒れ果てた家の片付け他、

更新が滞る理由の枚挙にいとまがないってこのことだよ、な日々でして。

(いいわけとかどうでもいいの〜)

(もっとなでて!)

ハ、ハイ・・・

てことで今日は映画でバレエ、渋谷はbunkamura ル・シネマにて

セルゲイ・ポルーニンのドキュメンタリーです。

もう3週間も前に見に行ったのに今ごろのアップなんですが、

その間に大ヒットにつき映画館を変わっての延長上映決定のようですわね。

そして原題はDANCERですが、 「世界一優雅な野獣」って邦題スゲーですわね。

映画内のコメントによればダンサーにたいして優雅な野獣っていうのは

褒め言葉だそうなんですけど、そこんとこ本人は喜んでるんでしょうかね。

で、予告編はこちら☟

飼い主自身がセルゲイ・ポルーニンの舞台を強く意識して見たのは、

ロイヤルバレエを退団直後にガラ公演で日本に来た時

このLes Lutinが最初だったかも。

とはいえ、英国ロイヤルバレエ団の2010年の来日公演では、

吉田都さんのロイヤルバレエ引退公演なったロミオとジュリエットで

ロミオの友人・ベンヴォーリオ役で出演していたので観ているはずなんです。

しかし、しかし、主役2人に目がうばわれ過ぎちゃって。

とにかく都さんのジュリエットが素晴らしすぎて涙と鼻水同時に流して

コンタクトも外れんばかりに目で追っていたので

キレキレに動く若い子がいたな・・・ってくらいの記憶なのが口惜しい。

その後は出演予定だった世界バレエフェスティバルも

パートナーのタマラ様と練習する時間ないとかナントカ・・・で

出演キャンセルになってしまったし、

今にいたるまで生の舞台はわずかにしか観られていません。

この頃はたぶん彼がいちばんバレエに興味を失っていた時機だと思うんですが、

周りも不安定な彼を制御不能だった様子が映画からもわかりました。

肝心の映画ですが、そんなポルーニン不足

もうれつに補ってくれるダンスシーンやらレッスン映像が

次から次へと展開されてホント目福でしたわーーー♡

なかでもYoutubeで公開されるや1700万回再生され一気に注目を集めた

ホージアの『Take Me To Church』で踊るムービー

大画面で見られるのが素晴らしい。

このムービーがまた、かつて私の美大生マインドを全開にさせてくれていた写真家

デヴィッド・ラシャペルが監督・撮影なのが

超コーフンさせられましてね!

まさに”優雅な野獣”が存在するにふさわしいトーンとカメラワーク

今のポルーニンの魅力を存分に伝えてくれます。

ドキュメンタリーとしては、天才をめぐる両親・家族の個々の想いと葛藤が切なく

そして離婚家庭がこどもに及ぼす影響の想像以上の大きさに驚いてしまいました。

ロシアバレエ界の大スター・イーゴリ・ゼレンスキーが、

傷ついた彼を保護者のようにささえたり

かつての恩師の変わらぬ存在など、ホッとさせるところもあるのですが

正直、このドキュメンタリーの読後感はあまり良くなくて。

というのもこれはまだ天才ダンサー・ポルーニンが立ち直る過程であって

まだこれからの彼がどうなるかはわからない。

その何ともいえない不安感が最後に残るんですよね・・・。

このドキュメンタリーを通じて監督の伝えたいメッセージが

もうひとつ感じられなかったかなぁ、と思いました。

とはいえ彼自身はこのドキュメンタリーの制作を通じて自分のダンスへの想いが

再確認できたようだし、これからほんとうに世界に名を残すダンサーとして

大いに成長してあちこちでその姿を見せてくれることを願ってやみません。

Jul 10, 2017

首藤康之×CAVA「レニングラード・ホテル」

日中はいよいよたいへんな暑さになってきて、

おネコさまからもクーラーは常時稼働を要求される季節

おかげでハモンさんも今のところ体調を崩さず、やや量は減ったものの良く食べ、

元気にシッポをふくらませて駆け回ったりしております。

ガツガツガツガツガツ・・・・・

ダダダダダダダダダダダダダダ!!!!!!

食べたら出す!(すみません・・・ネコ飼いならわかりますよねw)

このくらいのシッポの子もたくさんいるでしょうけど、

我が家の細身アビシニアンにしてはタヌキ級のシッポなり。

(あついわねー・・・)のっかられてるコッチも暑いよ!

さて、そんな暑い日曜日、飼い主はひんやーーーりしたスパイラルホールにて

ユーモラスだけど、ひんやーーーりした舞台を観てきました。

首藤康之×CAVA「レニングラード・ホテル」。

そとは灼熱の太陽の中、はじまった舞台は登場人物が厚手のコート着て登場した時点で

すでに異次元感がハンパなく、一気にそっちの世界にもってかれたことを考えると

この季節設定、とても効果的だなぁと思ったんでした。

いやしかしクーラー効き過ぎでほんと寒かったです、コレも演出なの???

で、東京バレエ団時代から、ずっと独特の存在感がとても好きな首藤さんです。

ドン・キホーテのエスパーダ(闘牛士ね)とかやってても、

どこか孤独感があるカリスマティックなたたずまいは

クラシックよりコンテンポラリーダンスの方にその良さが生きていたように思いますが、

退団してからはいろんなカテゴリーの人たちとコラボし続けています。

以前、首藤さんが共演したカンパニーデラシネラの「空白に落ちた男」を観た時

ユーモアのあるちょっと不条理劇的なパフォーマンスにおいて、

ダンス、パントマイム、演劇(セリフはないけど)の境目を自由に行き来する中、

孤高といえる美しいラインによって生み出されるムーブメントが

他の出演者とのいい意味でのコントラストをつくり、

キャラクターを際立たせることに成功している様子がとてもよかったのですが、

今回のCAVAとの競演はそのときの感覚に非常に近かったんじゃないかなーと。

と、念のため調べてみたら 作・演出の丸山和彰さんは「空白に落ちた男」で

首藤さんと共演していたんですねー

なるほどなるほど。

首藤さんが座長感強かったですけど、ホテルの設定という良さもあって

CAVAメンバーの豊かな個性も生かされ、

シンプルな設定なのにすごくバラエティ感がある。

また客席が舞台の3方向を囲むように設置されていたため、

視覚的な立体感の作り方もとてもおもしろかったです。

全体はわりとわかりやすい話で作られていたので

チラホラいた小学生くらいのこどもたちもみんな身を乗り出して見ていました!

あ、大人は身を乗り出して観劇してはなりませぬ、

こどもはちいさいから迷惑になりませんけどね。

 

Jun 8, 2017

勅使川原三郎「Absolute Zero」に思う

ジョニー! ジョニー!!!

(あー またうるさいのが来た・・・ねむいのに・・・)

孫のごとくジョニーを溺愛してくれている義父母のところから

なかなか我が家に帰れなくなっているジョニーさん。

ニャンコは本来1匹で飼われるほうが良いと言う話も聞くので

この方がいいのか迷うところではありますが・・・

義両親家に行ってはジョニー可愛いなぁと親バカ炸裂中〜。

ハモンにくらべると、鼻チューすぐしてくれるのもたまらんです(*^_^*)

男の子は甘えん坊なのよね。

(このソファはオレ様専用なんですぜ。キリ)

さてさて、先週は勅使川原三郎「Absolute Zero」のひさしぶりの再演を

世田谷パブリックシアターで観てきたのでその雑感を。なんとこの再演、約20年ぶりだそう。

今やつるつるアタマが強烈だけど、髪の毛フサフサだったころからの

長年の勅使川原さんファンの飼い主ですが、

そもそも「過去にまったく観たことのない、斬新なボキャブラリーで構成されたダンス」

というものを観たのは彼の舞台が初めてだったので

生まれたヒナが最初に見たものを親と思うがごとく、

崇拝しているのでありました。

だってそれまではクラシックバレエと、80年代なジャズダンスや

マイケルが踊るダンスが「ダンス」で、舞踏も見たことなかったしね・・・。

(なつかしすぎる髪の毛と舞踏を感じる白塗り時代。CINRA.NETより)

近年はあまりの多作ぶりに全公演を追いきれなくなっていますけど、

なるべく活動を見守り続けたいなと思う人です!

90年前後あたりから2000年代はじめごろまでの勅使川原さんは

人間の内部に渦巻くものをマグマのように内部でフツフツさせているようで、

ちょっと異形のモノ感の強さも感じさせているのが大きな魅力でした。

それがここ10年くらいはシンプルに自身をさらけ出すようなライブ感が強くなっているようで、

精神性の高さが強く感じられ、それがムーブメントに反映されているように思います。

昔のある種のイキオイは失われたけど代わりに透明感のある輝くものを得た、そんな感じでしょうか。

また、パートナーの佐東利穂子さんの切れ味の良いムーブメントは実に人間くさくない

異次元感はあるんですけどアングラっぽさが全くないんですよねー。

それが勅使川原さんにも影響して相乗効果を生んでるのかな。

自身も長く踊りながら活動している振付家の軌跡を観る楽しみですねー。

飼い主もそれを感じられる境地に入ってきたのかと感慨深いですわ。

あいかわらず前置き長いですが、そんな勅使川原さんが20年たって再び見せてくれた舞台。

正直20年前の記憶はそうとうにおぼろげでしたが、

”あーこういうシークエンスあったなー”となつかしく思い出しつつ観ていました。

とはいえ当然ダンサーが違えば印象も変わるもので、勅使川原さんも動きの質が変わっているし、

宮田佳さんと佐東利穂子さんもぜんぜんダンスの質が違うってところから

新作を観ている感覚が強かったですね。

前述したとおり、ムーブメントを通した精神性の高さがヒシヒシと伝わってきて

存在に透明感磨かれた何かを感じさせるのは、

バレエで言ったら、ロパートキナの踊るダイヤモンドを観ている時のような気持ちに。

結構な時間、音もなく微動だにしないシーンがあったのですが、

みんな息をつめて見守ってるのも印象的で、

その磨かれた何かが表出してくるのを待っているかのようでした。

(世田谷パブリックシアター サイトより)

(世田谷パブリックシアター サイトより)

(世田谷パブリックシアター サイトより)

上の写真とくらべて、こちらは「Absolute Zero」初演のころの勅使川原さん。

すでにつるつるだけどやっぱり若いわーーー、といっても40代前半のハズだけど。

でも、今60過ぎてもまったくそれを感じさせないパフォーマンス、ちょっと人智を超えていて

やっぱり彼は人間じゃないのかもしれませんw。

つぎの勅使川原公演は8月の東京芸術劇場に行く予定。

ここのところ佐東さんとのDuoがほとんどだったけど

5人でのアンサンブルが観られそうなので、とっても楽しみだなー!

May 29, 2017

ローザス「Fase」「Vortex Temporum」

(クンクン、あんまり美味しそうなにおいがしないわね・・・)

それはイチゴスムージーだよー

イチゴの時期も終了ですが、お安くなってくるとしょっちゅうつくってたスムージー。

このときは、ぜいたくにあまおうを使ってみました。キングオブイチゴ、あまおうです

さすが、やっぱり甘くておいし〜〜〜かったです。

 

さて、あまりにもイマサラですが

今月の飼い主的ダンスの目玉だったローザスの公演の自分メモをサクッと記しておきます。

まぁ半年前のキューバの話を書いていたくらいですからね、同じ月なら誤差みたいなもんですよね。

ローザスは振付家アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル率いるベルギーを代表するダンスカンパニー。

”1989年の初来日以来、その特徴ある振付、美しくも鋭敏なダンス、音楽と身体運動の関係を

様々な角度から徹底的に分析し構築する創作姿勢などで、

日本においても、ダンスファンのみならず、多くの人達を魅了し、

また刺激を与え続けている「ローザス」。”(東京芸術劇場HPより)

今回の来日ではひさびさに振付家本人が初期の代表作「FASE」を踊る、とあって

ダンスファンからは熱い注目を浴び、チケットも完売。

今まで彼女の振付作品はいくつか見てきましたが、本人が踊るのを観るのは飼い主にとっても初めてのこと。

現代のミニマルミュージックの巨匠、スティーブ・ライヒの音楽を

可視化するケースマイケルの振付は

まさに音楽と身体運動の関係を提示してくれていました。

(PHOTO:東京芸術劇場HPより)

FASEは4つの曲とともに展開されました。

そのひとつPIANO PHASE。

シンクロしていたふたりの踊りがほんの少しのズレから大きなズレへと発展するが、

また少しずつもどっていく。またふたりの影も光の方向が変わることによって

2人が増幅したり、一致したり、離れたり。2人だけの関係以上のものを描いていました。

人間の関係性を哲学的に象徴的にあらわしているようで考えさせられ、すごくよかったです!

(PHOTO:東京芸術劇場HPより)

「COME OUT」「VAIOLIN PHASE」「CLAPPING MUSIC」と続くのですが、

いやー、振付家が踊るってこういうことなのかーーーと思いました。

ケースマイケルさん、とにかく自身の振付の中でのその自由さ、ハンパなかったです。

今まで彼女のつくる舞台とダンサーからはある種のストイックさを感じていたんだけど、

すごくいきいきとしたライブ感を感じましたねー。

もうひとつ、FASEの他に持ってきた新作「Vortex Temporum」。

こちらなんというか衝撃的でした。

探求やまない芸術家のアタマの中をのぞかせてもらったような気持ちです。

タイトルのごとく、ダンサーもぐるぐる

ミュージシャンであるイクトゥスのメンバーもぐるぐる

ピアノまでぐるぐる回ってます。

(PHOTO:東京芸術劇場HPより)

(PHOTO:東京芸術劇場HPより)

また、個々があつまってきたかと思ったら離れていったり、時には爆発したり。

やがて大きなうねりとなり、その様子はまるで小宇宙を見るかのようでした!

見終わった読後感としては、

音とパフォーマンスをつかった現代美術のインスタレーションを観たような気分。

しかし、このニャンコ並みの脳みそがすべて受け止めきれたとはとても思えません。

また機会があればもう一度観直したいと思いました。

(ちょっと失礼しちゃうわね、いっしょにしないでよ)

ハイハイ、ですよねー

ニャンコの方が頭いいよね、絶対。

Apr 25, 2017

Mと、ムーミン バレエ。

うららかなよいお天気だった週末、

ハモンさんの奇跡の洗濯板ショットがまたまた撮れてゴキゲンの飼い主です。

(いいお天気ねぇー・・・)

(ふあーーーーーーーーーーーーー・・・)

(キリッ)

ところで、ハモンの下からのアオリショット見ていて、誰かに似ているなーと思っていました。

(pinterestより)

この人ですよ。Mイギリス情報局秘密情報部MI6の局長Mです。

ってジュディ・デンチですけど、マリーゴールド・ホテルにいようがエリザベス1世だったとしても

飼い主の中では007シリーズのこの姿しか思い浮かびません。

彼女は実在の1992年から1996年まで実際にMI5の長官だったステラ・リミントンに基づいている設定だそうですね(wikiより)

記憶喪失かと思うほど見たこと忘れては Amazon Fire TVでリピしまくった「スカイフォール」

17年ほどの任務から殉職してしまったのが残念です。

 

おっと、映画でも小説でもスパイものが大好物の飼い主がこの辺の話をし始めたら長いので、

それはまたの機会にする(え?)として今日はこちらのレポをさらりと。長くないですよ

Mつながりです、ムーミン。Moomin、です。くどいですね。

つい昨日のことですが、来日中のフィンランド国立バレエ団の2つのプログラムを観に行きました。

北欧ガラ+たのしいムーミン一家 ~ムーミンと魔法使いの帽子~です。

そして、このムーミンバレエの演目はなんと世界初演とのこと。

(オーチャードホール・フィンランド国立バレエ団来日公式ページより)

正直 怖いもの見たさでチケット取ったけど、着ぐるみバレエはあんまり得意じゃないかなぁなんて思ってて

前回のKバレエ・ピーターラビット見に行った時は盛大にしのごの言ってたんですが、

なんと2回目にして慣れてしまったのか、素直に笑ったりカワイイーー、なんて

会場のホンワカした空気に同調出来ましたんですよ!

(前半の北欧ガラが色んな意味でディープすぎたせいもあるかな・・・)

だって・・・ ミィも踊る!ホントにキュートでこの日の飼い主的MVPです。

(オーチャードホール・フィンランド国立バレエ団来日公式ページより)

ムーミンママなんて高速パドブレしてましたよ。

(オーチャードホール・フィンランド国立バレエ団来日公式ページより)

スナフキンだって踊る!

(オーチャードホール・フィンランド国立バレエ団来日公式ページより)

女子はみんなトウシューズでポアントに立つんですよ!

足先まで着ぐるみでポアントに立てるなんて踊る側からしたらかなりタフ・・・。

正直ストーリーとかよく覚えてないんですが、そんなのもういいんです。楽しみましたから。

欲をいえば、ミィはキャラクターが振付にもかなり反映されているのですが

ムーミンたちはそこのところ難しいのかな?わりとふつうのバレエ的で、

そこがもっと魅力的になるといいのになーと思いましたけど。

キャラクター好きでもないオトナが何度も見たくなるって感じではありませんでしたが、

会場は平日夜にもかかわらず、お子様連れも多数でほぼ満席

近年バレエ公演は集客に苦労している公演が多いのだけど

フィンランドでの公演やリハーサルで、ムーミンが踊る画像や映像が

SNSを中心に拡散されバズっていたり、良い宣伝活動が出来ていたのだと思います。

会場限定ムーミングッズは週末公演を経てほぼ完売で、ムーミン人気を実感しましたよ。

って、まったくもうひとつのプログラムの北欧ガラには触れませんでしたけど、

フィンランドでは情熱的・官能的・アクロバティックなバレエが好まれるのかのぅ・・・といった印象です。うぅむ。

ヨルマ・ウオティネン振付の「悲愴」、こちらも日本初演でしたが

スキンヘッドにパンダメイク&白いヒラヒラのスカートをはいた、ムーミン谷のお仲間のようなダンサーが

ニョロニョロのような動きを見せるソロ演目。これは興味深く良かったですねー。

というわけで、しつこくこの2人の写真をくらべて終わりたいと思います。

(うるさいわねぇ、もうねむいの・・・)

(telegraph.co.ukより)

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