ピナ・バウシュで踊る
(ちょっとーここネコブログじゃなかったのー? )
まぁまぁ、だって今月は観たいダンスの公演がメジロ押しなんですよ!
なかでも飼い主がパリ・オペラ座に続いて楽しみにしていたのが
ドイツはヴッパタール舞踊団のピナ・バウシュ「カーネーション-NELKEN」です!
日本での上演は28年ぶりとのことですが、世界各地では時々上演されているため短い映像やスチール写真をたびたび目にしており、
その敷きつめられたカーネーションのフォトジェニックさで、ずーーーっと観たいと恋焦がれていました。
しかし世界に広がるピナ・バウシュの熱狂的なファンにより、チケットはどこもあっという間にソールドアウト。
ちょうど2015年の初夏にパリに行ったときも、偶然この「カーネーション-NELKEN」がシャトレ劇場で上演しており
直前に知ってチケットを手に入れようとしましたが、見事にソールドアウトで当日券もまったく手に入らず。
友人からピナの公演を甘く見ている、と諭された次第です・・・。
日本でも、たいていのコンテポラリー作品の公演はわりと直前でもチケットが手に入ることが多いのですが
ピナの演目はどれも他にくらべて圧倒的に人気でほぼ完売するため、
今回のチケット発売はかなりの気合いを入れて発売時間に正座してゲットしました。(やはり発売すぐで全公演完売なり)
気合い入れすぎてあれこれ手を打ったため、よぶんなチケット何枚も買っちゃったのですが
それもふだんそれほどダンスを観ない友人たちにもホイホイお嫁入りしていきましたよ。おそるべしピナ人気!
さて恨み節みたいな前置きが長くなりましたが、そんな中で与野本町のさいたま芸術劇場です。
平日夜にこの都心からも遠く(しかも最寄りの駅からも遠い・・・)、
自宅からは1都2県にまたがっての移動を余儀なくされる劇場=でもホントに素敵な公演をたくさんやるんです=に行ってまいりました。
会場に入ると、前評判通りしきつめられたカーネーションが撮影可です。
キャーキャー♡期待値がますます高まりますー。
ドレスを着た女性たちとスーツを着た男性たちが、一面のカーネーション畑でじぶんの人生を語り、踊る。
生きていく上では楽しいことも、つらいことも、理不尽なことも、たくさんあるけど、
じぶんの原点を見つめだいじなものをわかっていれば大丈夫、そんな気持ちにさせられた
ピナの人間愛とダンサーへの愛情にあふれた演目。
またそんな流れの終盤では観客もダンサーの呼びかけでカンタンな振りをいっしょに踊る、
それがなんだかとても自然で、ものすごく気持ちがあたたかくなりました。
そして特筆すべきはこの中のダイアローグがすべて日本語で行われることです!
韓国では韓国語でやるそうですし、上演する国に合わせてそのセリフをすべて覚えるのはそうとう準備が大変なはず。
演劇とはちがいますが、ちょっとしたアイロニーやら理不尽さなどがちゃんとセリフで伝わるかはポイントになってくるので
発音もけっこう大事だと思うし、すごいなーと感心しましたよー。
(さいたま芸術劇場HPより)
前回のKONTAKTHOFを諸事情で行かれず、だいぶひさしぶりにヴッパタール舞踊団を見たら
けっこう若いひとがたくさんいて、ダンサーの世代交代が進んでいました。
でもやっぱり超ダイバーシティなメンバーはピナ亡き後も彼女の現す世界そのもの。
今回のカーネーションにはでっかいシェパードも4頭出演するのですが、これまた4頭4様。
舞台上で起こることにビビって逃げ出したがる、ひたすら吠えて立ち向かう、何が起ころうともまったく動じない、
トレーナーとアイコンタクトをし続ける、など演出かと思うような性格の違いだったんです。
偶然でしょうけど、生きているものはみな多様であるってメッセージなのかと思ってしまいましたww。
まだ今日と明日公演がありますが、わたしが次に彼らの世界観にふれるのはいつになるかな。
(ネコにだって演技力が必要なの。こんなふうに甘えてあげてるんだから・・・)