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Jul 20, 2017

真夏のジャコメッティ展

 

会期スタートすぐに行きたかったのに、だいぶ出遅れてしまったわ・・・。

てことでジャコメッティ展です。

しかしジャコメッティ自体は日本では比較的ジミめポジションだし、

「門外不出」「◯◯限定」とかそういう踊り文句も今回特に見受けられないし、

おそらく会期後半の世紀末的行列などはないでしょうけど・・・

それでも一般的な夏休み前に急がなくっちゃ!と連休前に行ってきました。

細長ーい人物彫刻が特徴的なジャコメッティ、

国内はもとより、旅したときなどにちょこちょこ美術館で見る機会があったものの

飼い主がまとまった展覧会を見るのはこれが初めて。

金曜の夜は20時までやっているので、大あわてで18時過ぎに会社を飛び出し

だいたい1時間半の鑑賞時間をみこんで行きました。

これ、だいたいの自分の鑑賞スピードから考えるとちょっと時間が短く

後半急がねばならず苦行のようだった「茶の湯展」の恐怖が

アタマをよぎりましたが、

見たいものだけじっくり観ればイイんじゃ!と言い聞かせまして。

結果的には人気があるのかないのかよくわかりませんが、とっても空いていました!

おかげでめっちゃクーラー効きすぎて寒いのなんのって

この季節は作品を守るためにもクーラー強めと思いますので、防寒対策をシッカリと。

そんなわけでしょっぱなに観られるのはジャコメッティがあのほそながーーーい人物を

はじめて発表したころの代表作、レオーニ

(Internet museumより)

この作品が、この特徴的な彫刻たちの象徴として置かれてることがわかるのは

もうだいぶ会場の中に進んでからで、作品の説明をみたときに

レオーニ本体が近辺にないので係員に聞いちゃいましたよ

そしたら入り口いちばん最初の作品だというんで戻りましたデス。

それ以外はおおむね時系列にそって展示されていたと思います。

20世紀を生きた作家らしくキュビズムの影響を受けたものや

アフリカ・オセアニアの民族的彫刻に影響を受けたものなどなど。

彫刻以外にもエッチングエッチング用画材で描いたスケッチが多数あり、

素描が大好物のわたくしにはなかなか楽しかったです。

また初期のころの人物彫刻が想像以上にちいさいんですけど、

それはジャコメッティが人物を見つめると

やがて生じる対象物との距離感覚からきているらしいのが興味深かったですね。

あととても記憶に残ったのが「ベネツィアの女」と題された9体の女性たち。

見たところすべて外見が異なるのですが、

これはひとつの像を制作過程で気に入った造形になるごとに型取りさせ、

ぜんぶで15体ほど出来た中からブロンズで9体鋳造したものです。

もとはひとつの女性だったっていうのが、

けっきょくのところ外側が違ってもみんな人間なんだというメッセージのようで

かなりグッと来ました。また展示の仕方も良かったんですよね。

(Internet museumより)

図録ではその展示の状況が反映されてないのがちょっと残念。

(ふむふむ、これね)

あっ!ハモンさん・・・ふまないのーーー

他にパリでジャコメッティのモデルとなり親交のあった

日本の哲学者、矢内原伊作を描いたものもチラホラあるのですが

彼が持ち帰ったカフェなどで描いたスケッチがこちら。

(図録より)

このイタズラ描き感が楽しい。

チェースマンハッタン銀行のモニュメント群はジャコメッティの作品の中では

巨大でそこまで見てきたものたちと縮尺が違う感じ。

ジャコメッティにしてはけっこうデカいです。

2.5mくらいかな?とにかくデカいです。

ひとがあんまりいなくて縮尺がわかりづらいんですけど、そこそこデカいです。

ここは、さいきんの展覧会らしく写真OKゾーンでした。

あ、そうそうネコ飼いとしては、やっぱりこのネコははずせませんね

(よんだ?)

ノンノン、このネコです!

弟の飼っていたネコがモデルだそうで、のちに記憶をたよりに造ったら

いつも正面から自分の方にノシノシ歩いてくる姿ばかり見ていたので

ディテールを表現できたのは頭部だけだそう。

いやいやちょっとした首から肩にかけてのラインなど

その歩く姿もものすごくネコらしいですよね。

もちろん、ワンコもいましたよー。

犬にはもっと人間的な近しさを感じていたようで

ポーズにも心情的なものが表現されているようでした。

短い時間で気合い入れて観たわりには

全体的に思ったより作品数が少なかったので、

だいたい1時間くらいで全部観ることが出来ましたね。

お気に入りはもう一度もどって観る余裕もあって。

のんびりできて良かったですー。

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