ダンサー、セルゲイ・ポルーニン「世界一優雅な野獣」
おひさしぶりな更新になりました。
いやもう、自分の出演する発表会の舞台×2の準備でてんてこまい+
並行して仕事して+あげくPCの液晶はぶっ壊れ+荒れ果てた家の片付け他、
更新が滞る理由の枚挙にいとまがないってこのことだよ、な日々でして。
(いいわけとかどうでもいいの〜)
(もっとなでて!)
ハ、ハイ・・・
てことで今日は映画でバレエ、渋谷はbunkamura ル・シネマにて
セルゲイ・ポルーニンのドキュメンタリーです。
もう3週間も前に見に行ったのに今ごろのアップなんですが、
その間に大ヒットにつき映画館を変わっての延長上映決定のようですわね。
そして原題はDANCERですが、 「世界一優雅な野獣」って邦題スゲーですわね。
映画内のコメントによればダンサーにたいして優雅な野獣っていうのは
褒め言葉だそうなんですけど、そこんとこ本人は喜んでるんでしょうかね。
で、予告編はこちら☟
飼い主自身がセルゲイ・ポルーニンの舞台を強く意識して見たのは、
ロイヤルバレエを退団直後にガラ公演で日本に来た時、
このLes Lutinが最初だったかも。
とはいえ、英国ロイヤルバレエ団の2010年の来日公演では、
吉田都さんのロイヤルバレエ引退公演となったロミオとジュリエットで
ロミオの友人・ベンヴォーリオ役で出演していたので観ているはずなんです。
しかし、しかし、主役2人に目がうばわれ過ぎちゃって。
とにかく都さんのジュリエットが素晴らしすぎて涙と鼻水同時に流して
コンタクトも外れんばかりに目で追っていたので
キレキレに動く若い子がいたな・・・ってくらいの記憶なのが口惜しい。
その後は出演予定だった世界バレエフェスティバルも
パートナーのタマラ様と練習する時間ないとかナントカ・・・で
出演キャンセルになってしまったし、
今にいたるまで生の舞台はわずかにしか観られていません。
この頃はたぶん彼がいちばんバレエに興味を失っていた時機だと思うんですが、
周りも不安定な彼を制御不能だった様子が映画からもわかりました。
肝心の映画ですが、そんなポルーニン不足を
もうれつに補ってくれるダンスシーンやらレッスン映像が
次から次へと展開されてホント目福でしたわーーー♡
なかでもYoutubeで公開されるや1700万回再生され一気に注目を集めた
ホージアの『Take Me To Church』で踊るムービーが
大画面で見られるのが素晴らしい。
このムービーがまた、かつて私の美大生マインドを全開にさせてくれていた写真家
デヴィッド・ラシャペルが監督・撮影なのが
超コーフンさせられましてね!
まさに”優雅な野獣”が存在するにふさわしいトーンとカメラワークで
今のポルーニンの魅力を存分に伝えてくれます。
ドキュメンタリーとしては、天才をめぐる両親・家族の個々の想いと葛藤が切なく
そして離婚家庭がこどもに及ぼす影響の想像以上の大きさに驚いてしまいました。
ロシアバレエ界の大スター・イーゴリ・ゼレンスキーが、
傷ついた彼を保護者のようにささえたり
かつての恩師の変わらぬ存在など、ホッとさせるところもあるのですが
正直、このドキュメンタリーの読後感はあまり良くなくて。
というのもこれはまだ天才ダンサー・ポルーニンが立ち直る過程であって
まだこれからの彼がどうなるかはわからない。
その何ともいえない不安感が最後に残るんですよね・・・。
このドキュメンタリーを通じて監督の伝えたいメッセージが
もうひとつ感じられなかったかなぁ、と思いました。
とはいえ彼自身はこのドキュメンタリーの制作を通じて自分のダンスへの想いが
再確認できたようだし、これからほんとうに世界に名を残すダンサーとして
大いに成長してあちこちでその姿を見せてくれることを願ってやみません。